【徹底解説】GSLVロケットがインド宇宙開発の鍵を握る理由

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【徹底解説】GSLVロケットがインド宇宙開発の鍵を握る理由

目次

インドの宇宙開発に秘められた熱い物語!巨大ロケット「GSLV」の歴史を徹底解説【前編】

みなさん、こんにちは!宇宙探検隊のりさです。

今日は、私たちの知らないところで驚くべき進化を遂げている、インドの宇宙開発についてお話ししたいと思います。特に、インドが誇る巨大ロケット**「GSLV」**の歴史を紐解いていくと、まるで映画のような熱いドラマが見えてきますよ!

GSLVって、一体どんなロケット?

GSLVとは、「Geosynchronous Satellite Launch Vehicle」の略で、日本語にすると「静止衛星打ち上げロケット」という意味になります 1。これはインド宇宙研究機関(ISRO)が開発した、使い捨て型のロケットです 2

全長は約49m、総質量は420トンにもなる巨大なロケットで、インドの衛星を宇宙に送り出すために重要な役割を担っています 3

宇宙への独立という、壮大な夢

GSLVの開発が始まったのは1990年 4。当時、インドは大型衛星の打ち上げをソビエト連邦に頼っていました 5。しかし、「自分たちの力で宇宙へ行きたい」という強い思いから、GSLV計画はスタートしたのです。

ロケットの第1段と第2段は、PSLVという別のロケットから技術を受け継ぎましたが、一番重要な第3段のエンジンは、まだ自国で開発できていませんでした 66。そこで、インドはロシアからエンジンの技術を教えてもらう契約を1991年に結びました 7

しかし、この計画に待ったをかけたのがアメリカです。翌1992年、アメリカはミサイル技術管理レジーム(MTCR)に基づき、ロシアからインドへの技術移転に異議を唱えました 8。この結果、技術移転の契約は撤回されてしまい、インドは自力でエンジンを開発する、という大変な道のりを歩むことになったのです 9

苦難を乗り越え、悲願の国産化へ

アメリカからの異議を受け、インドは1994年から「極低温上段プロジェクト」を開始 10。自国での第3段エンジンの開発に全力を注ぎました 11

そして、ついに2014年1月5日、国産エンジンを搭載した「GSLV-MkII」での衛星打ち上げに成功したのです 12。これは、これまで外国に頼ってきた技術を、ついに自分たちのものにした歴史的な瞬間でした。

この成功の裏には、失敗の歴史もありました。実は、2010年4月に初めて国産エンジンを搭載した「MkII」の初打ち上げは、燃料ターボポンプの故障により失敗に終わっています 131313。しかし、彼らは諦めませんでした。失敗から学び、改良を重ねた結果が、この成功に繋がったのです。

まさに、インドの粘り強さと情熱が生み出した、奇跡のロケットと言えるでしょう。

【後編】へ続く

前編では、GSLVの誕生と、国産化までの熱いドラマをご紹介しました。

後編では、このGSLVが持つユニークな構造や、これまでの打ち上げの軌跡、そして失敗を乗り越えてきた歴史について、さらに詳しく掘り下げていきたいと思います。

次回の更新も、ぜひお楽しみに!


インドの宇宙開発に秘められた熱い物語!巨大ロケット「GSLV」のユニークな特徴と軌跡【後編】

みなさん、こんにちは!宇宙探検隊のりさです。

前編では、インドが自力でロケットを開発するまでの熱い歴史をお話ししました。後編では、そんなGSLVが持つ、ちょっと変わった特徴と、これまでの打ち上げの軌跡を詳しく見ていきましょう!

GSLVの驚くべき構造

GSLVは、3つの段からなるロケットです 14。第1段は固体燃料ロケット、第2段とブースターは液体燃料ロケット、そして第3段は低温燃料ロケットを使用しています 15

ここで、GSLVの最大の特徴とも言える、非常にユニークな構造をご紹介します。

通常、ロケットは役目を終えた部分を切り離して、軽くなっていきますよね。しかし、GSLVは、第1段コアステージを囲むように取り付けられた4基の液体燃料ブースターが、第1段よりも長く燃焼します 16。そして、投棄の際には、ブースターが第1段に固結されたまま第2段から分離されるという、極めて特殊な構成をとっています 17

まるで、おんぶするように一緒に飛んでいく、他のロケットには見られないユニークな構造なんですよ。

失敗を乗り越えてきた軌跡

GSLVは、これまでに様々なバージョンが開発されてきました。2014年1月5日には、インドが自力で開発したエンジンを搭載した「GSLV-MkII」で打ち上げに成功 18。このロケットは、低軌道に5000kg、静止トランスファー軌道に2500kgの衛星を投入する能力を持っています 19

しかし、成功の裏には多くの失敗がありました。

例えば、2006年7月10日の打ち上げでは、ロケットが予定軌道から逸脱したため、指令破壊されました 20。また、2010年12月25日の打ち上げでは、第1段エンジン燃焼中に液体ブースターが制御不能になり、打ち上げからわずか47秒後に指令爆破されています 21

そして、最近では2021年8月12日の打ち上げで、第3段がコントロールを失い、墜落してしまうという失敗も起きています 22

これまでの15回の打ち上げで、成功は9回 23。決して高い成功率ではないかもしれませんが、失敗から学び、何度も挑戦し続けるインドの姿勢は、私たちに大きな感動を与えてくれます。

GSLVが切り開く、インドの宇宙の未来

GSLVの技術は、さらに進化を続けています。GSLVの後継機として開発された**「LVM3」**は、すでに打ち上げに成功しており、GSLVよりもさらに大型の衛星を打ち上げることが可能です 242424

また、このLVM3は、将来的には有人宇宙飛行も視野に入れているというから驚きです 25

失敗を恐れず、常に挑戦し続けるインドの宇宙開発。彼らの情熱が、これからどんな素晴らしい未来を切り開いていくのか、本当に楽しみですね。

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